「ピンクとグレー」感想-人間は多面的

先日久々にテレビのバラエティ番組を観ました。
「ゼウス」という番組で芸人軍とジャニーズ軍が、アーチェリーやレスリングで対決するというものででした。
結果、ジャニーズが負けて土下座するというなんというかとんでもない番組でした。
アーチェリー対決の時にジャニーズ軍は「作家の集中力を頼る」と加藤シゲアキが登場するのですが、彼は、そう「ピンクとグレー」の原作者です(ちなみに結果は悲惨)
また、番組では「ピンクとグレー」主演の中島裕翔も出てきましたね。彼は見事に活躍しました。

それ観てあぁ、感想書いてなかったなぁ、と反省しつつ今日は「ピンクとグレー」紹介します。
実はある理由で最初のうちに書かなかったことを後悔してます…


  • 製作年:2016
  • 公開日:2016/1/9
  • 上映時間:119分
  • 監督:行定勲
  • 出演:中島裕翔、菅田将暉、夏帆、岸井ゆきの、小林涼子、柳楽優弥、宮崎美子他
  • 概要:ごっちこと鈴木真吾(中島裕翔)とりばちゃんこと河田大貴(菅田将暉)は同じマンションで育つ。高校時代一緒にバンドをし、二人で芸能界を目指すが、白木蓮吾(鈴木真吾の芸名)が大スターに上り詰める一方、河田は鳴かず飛ばずだった…

評価:8/10(色々と衝撃的)
オススメ:イケメンが好きな人、「パレード」が好きだった人、クズが愛おしい人

先ほどの後悔云々の話ですが、まずこの作品、映画ファンと名乗る方々が誰も観に行ってなくて凄い不安なのです…
個人的には好きな映画ですが、まだボロカスに叩かれる方がマシです。観てすらないって…
確かにジャニーズが書いたジャニーズ主演の映画ですけど、むしろジャニーズファンに嫌がらせレベルな内容になってるので、映画ファンの方は安心して観てください。

この作品を一言で言うなら、同じ行定勲監督の作品「パレード」 の新解釈版なんじゃないかと思うんです。(後ほど解説)
また、ピンクからグレーに変わる瞬間は、散々公開前に煽っただけの事はあって衝撃でした。

また、本作は「菅田将暉」のクズ演技っぷりが素晴らしいのも特徴です。
なぜこんな表現なのかは観た人はわかりますよね?

あともう一つ衝撃だったのが、映倫が仕事を投げ出したことでしょうか。あれ、レーティング無しとか正気じゃない(歓喜
今までの仕事しないっぷりに輪をかけて酷い(褒め言葉)。あの方法はみんな真似するべき。

にとり的ポイントは

  1. ピンクからグレーへ
  2. グレーの世界
  3. 「白木蓮吾」とは

※以下完全にネタバレ

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1.ピンクからグレーに

まずは、いきなり「開始から62分の衝撃」について。
大スター白木蓮吾の小学生時代から、そして自殺するところまでをやるのですが、なんとこの前半62分が劇中内での映画撮影だったのです。
「はい、カット!」という言葉と共にピンク(カラー)の世界からグレー(モノクロ)に変わるのです。
色が変わるのは予想したましたが、モノクロの世界こそが現実の世界だったというものです。

白木蓮吾を演じていた中島裕翔こそが冴えないクズ河田大貴だったのです。
彼は本物の白木蓮吾が自殺したあと遺書に従って彼の一生を綴った本を出版、それが大ヒットし実写化、河田自身が白木蓮吾を演じていた、というわけです。

2.グレーの世界

でも物語はここからが本題。
映画内では河田大貴を演じていた菅田将暉(役名忘れたので)と河田と、同じく映画で白木の幼馴染・サリーこと石川紗理を演じていた香凜(夏帆)がかなりの曲者でした。
二人は芸能界で絶頂期の白木蓮吾をよく知っている口ぶりをします。

菅田将暉は遊び人で女の子達とチュッチュする会員制のバーに連れて行かれます。
ここでナチュラルに女の子のおっぱいが、しかも乳首が解禁されていますが、モノクロならいいのかよ、映倫!気になって今でも夜しか眠れないよ!
衝撃的なのが、このバーを紹介してもらったのは白木蓮吾だというのです。

香凜は映画内で演じていたサリーとはかけ離れ、中々ド派手なファッションです。
また生前の白木と付き合ってたという噂のあった女優なのですが、
速攻で河田大貴とベットイン(こっちは隠されてますがなかなかエロいです。「海街diary」の時の夏帆返せ)、
さらにホテルの前で堂々とキスをし別れます。
まぁ、当然週刊誌に抜かれ、サリーとの関係を破壊されてしまいます。

こうして芸能界の洗礼を受け、白木蓮吾がどういう人間だったか思い知らされ、サリーとの関係まで破壊された河田。
追い打ちをかけるように挑発してきた菅田将暉をボコボコにします。おかげで芸能界からも干されてしまいました。哀れ。
それにしても、殴られる時の邪悪な笑み、殴られてからも笑い続ける菅田将暉の素晴らしい演技が印象的でした。今年のクズ男はこいつで決まりかもしれない。
一方で中島裕翔があまり覇気というか、怒気が感じれなかったのが残念でした。個人的には一番のマイナスポイントでした。

3.「白木蓮吾」とは

そして、最後に逃げ込んだ生前の白木蓮吾のマンションで白木蓮吾の真意、高校時代に白木が作った「ファレノプシス」の曲の本当の意味を知ります。
これも白木蓮吾の一面、なんですよね。

こうしてみてみると、序盤にお話した「パレード」を思い出します。「パレード」自体が人間の多面性を描いた作品でした。
作中藤原竜也演じる直輝が「お前も、俺も、みんなも、それぞれが知ってる『サトル』しか知らないんだよ。だから、『みんなが知ってるサトル』なんて、この世に存在しないんだよ」と言う台詞が、本作でさらに重みを増した気がします。
それぞれの人物が持つ白木蓮吾はあれど、みんなが知ってる白木蓮吾はどこにもいなかった。河田が知る白木蓮吾も白木蓮吾の一面でしかないというわけです。

この映画は新しい演出方法を取り入れつつ「パレード」でも描かれた人間の多面性を新たなアプローチで仕掛けてきた作品という印象でした。

おまけ
本作では行定勲監督と原作者・加藤シゲアキがカメオ出演してるので探してみてください。
でも監督はバレバレなので探すまでもないか…

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