台風21号…すごかったですね。
私の住んでいる和歌山市も最大瞬間風速57.5メートルありました。
我が家も停電もあって半日以上電気のない状態でした。
さて、私の仕事は台風で1日多く休みになったのでTwitterでAmazonプライム・ビデオで観れる映画でオススメのものを募集しました。
そこで教えていただいたのが本作「バリー・シール/アメリカをはめた男」でした。
- 原題: BARRY SEAL
- 製作年:2017
- 公開日:2017/10/21
- 上映時間:115分
- 監督:ダグ・リーマン
- 脚本: ゲイリー・スピネッリ
- 出演:トム・クルーズ、ドーナル・グリーソン、サラ・ライト、E・ロジャー・ミッチェル、ジェシー・プレモンス、ローラ・カーク、アレハンドロ・エッダ、ベニート・マルティネス、 ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ他
- 概要:バリー・シール(トム・クルーズ)は民間航空会社の敏腕パイロット。ある日CIAにスカウトされ偵察機のパイロットになる。しかしその過程で麻薬王パブロ・エスコバルと出会い裏で麻薬の運び屋を兼務することになる…
評価:8/10
トム・クルーズ様演じるバリー・シール、実在しているから驚きものです。
てか監督ダグ・リーマンかよ!
ダグ・リーマン監督といえば「ボーン・アイデンティティー」、「Mr.&Mrs.スミス」といったアクションの印象が強い人。
トム・クルーズとも日本のライトノベル原作「オール・ユー・ニード・イズ・キル」以来の2回目のタッグというわけですね。ふむふむ。
実際AYNIKは監督らしい激しいアクションが見どころでした。
で本作、実際観て思ったのが「これ、邦題詐欺なのでは?」ということ。
こんなの思ったの「マネー・ショート」以来の感情だよ。
とりあえず詳しい理由はネタバレゾーンで。
この先ネタバレ
退屈な日々が一転
あらすじの通り民間航空会社TWAで優秀なパイロットでありながら日々を退屈に過ごしていた男がCIAにスカウトされ人生が変わっていくというもの。
CIAに入る前のバリー・シールの人なりの表現がすごく上手く伝わってくるような、この冒頭の掴みが上手い。
冒頭から自動操縦を勝手に解除してちょっと「やんちゃに」操縦、「乱気流でした」とさらっと言い訳。
そして毎回の到着時のお見送りをいかにも退屈そうに演出している。
その一方で自身への検査が緩いのを利用して密かに当時輸入禁止だった嗜好品をこっそり密輸してたりも。
それが原因でCIAに目をつけられるわけです。
そこからCIAに話を持ちかけられた様子を見るとバリー・シールは好奇心旺盛なというか冒険的な性格として描かれています。
会社辞める時飛行機降りるシーン、トム・クルーズがやってるのもあって超カッコいい。
それが最終的にあんなことに巻き込まれるなんて…に繋がるわけですよね。
アクション映画バリのテンポ
バリーの腕は確かなもので見事な偵察写真を撮っていきます。
さらにCIAの仕事の一つにパナマのノリエガ将軍にブツと交換で情報をCIAに持ち帰る仕事も請け負っていました。
その過程で出会うのが麻薬王パブロ・エスコバルです。
CIAの仕事、密輸の仕事、金が増える、また仕事に出る…というサイクルがまぁ気持ちいいぐらいテンポよく描かれてるんですよね。
途中で手が回らなくなって同じように運ぶ仲間を雇うんだけど、なんかそこの部分までもアクション映画みたいなノリで描かれている。
最初登場時全員で並んで正面から歩いてきたりとか。
テンポ良すぎてすごい明るい映画に観えてきた。
実際はここから転落人生が始まる。
JBの登場というターニング・ポイント
妻の弟であるJB(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)が登場すると一気に空気が悪くなります。
バリーの独白ビデオでもJBについては明言を避けました。
独白ビデオに向かって、とはいえそれまであんだけ自分で麻薬の運び屋の話をベラベラ喋っていたのに関わらず、だ。
明らかにやな予感がするのだが、まったくもってその通りに物語は進行する。
JBは基本ダメ男でバリーの見てないところで金をパクるどうしようも無いやつ。
彼が原因で元々マークされてたFBIやDEA(麻薬取締局)に証拠を掴まれてしまうわけですが。
アメリカに「はめられた」男
バリーは遂に捕まってしまうが、ホワイトハウスに連行されホワイトハウス直々に司法取引を持ちかけられる。
敵対している左派武装組織サンディニスタ民族解放戦線と麻薬組織との取引の写真を撮るというのを条件に。
それにしても一々麻薬組織との対面の時はハラハラさせられるんですよね、本当によくできてるなぁこの作品(語彙力
任務も上手く遂行し、裁判は禁固刑無しの社会奉仕だけという判決で閉廷。
しかし、バリーの撮った写真がTVで堂々と流されてしまい、麻薬組織がバリーの裏切りを知るところとなってしまう。
バリーはほぼ自由の身となるのですが、国はこのときに完全に関係を絶ってしまう。
つまり麻薬組織であるメデジン・カルテルからは守ってくれないということなんですよね。
これ、冒頭の話に戻るけど、どっちかというとバリーは「アメリカにはめられた」方が正しいのかもしれない。
自業自得ではあるけど。
ラストはバリー自身が自ら行ったことの結末ではあるんですけど、最後なんとも言えなくなりますね。
でも思わず感情移入するぐらい冒頭から魅力的な人物として描かれていたというのが大きい。
それは彼が人生にスリルを求めていたこと、そして家族のことが大好き(JB除く)だというところだ。
最初も好奇心と家族を養っていくという部分が原点にあったからね。
実話もので(おそらく)そこまで過度な脚色をされてないのに関わらず、最後までハラハラドキドキさせてくれたのは演出の上手さだと思います。
そういうテンポや面白さも「マネー・ショート」に近いものを感じます。
「マネー・ショート」は逆に解説シーンなんか盛りまくってた気がするけど。
Amazonプライムでは字幕版も吹替版も用意されている。
気になった方はお好みの方で。
トム様映画観るってノリでいいと思う。
吹替版はミッション・インポッシブルシリーズと同じ森川智之さんだし。
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