「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」感想―展開がわかるからこそ泣ける

今日は「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」のご紹介。
最初に結論から言うとポッピンQ」より絶対こっちの方観ようぜ。
※あくまでも個人的な感想です


  • 製作年:2016
  • 公開日:2016/12/17
  • 上映時間:110分
  • 監督:三木孝浩
  • 出演:福士蒼汰、小松菜奈、山田裕貴、清原果耶、東出昌大、大鷹明良、宮崎美子他
  • 概要:大学生の南山高寿(福士蒼汰)は通学の電車で福寿愛美(小松菜奈)に一目惚れし、声をかける。駅で会話を交わした2人。別れる際に高寿は「また会える?」と聞いたところ、愛美は突然涙した―。

評価:9/10
オススメ:カップルだけの映画じゃない!みんなにオススメ!

いやぁ、2016年はこれでもかというぐらい名作が出てきましたが、本作もその一つではないでしょうか。
2016年最後に観た映画は迷作でしたけど。

監督は「ソラニン」、「アオハライド」等の良質な音楽映画、青春映画を作り続ける三木孝浩監督
実は三木監督作品は「くちびるに歌を」、「青空エール」と2作連続で見損ねてたので久々の三木監督作品となります。
(2作品とも評価高いから観ないと…!)

原作者は七月隆文。あれ、どこかで聞いたことある名前だと思ったら、「俺がお嬢様学校に『庶民サンプル』としてゲッツされた件」の原作者でもありました。
多分映画ファンには聞いたことも無いタイトルでしょうが、以前放送されていた深夜アニメです。

※どんな内容かはこのPV観てお察しください。でも結構他のテンプレートラノベと比べると内容は詰まってます。

まぁそんなわけで、ライトノベル作家の方がいきなりリア充向けな作品を書いて、ヒットし、さらに三木孝浩監督で映像化ですよ…住む世界が変わり過ぎというか。

まぁ、とりあえずそういうところもあって期待半分不安半分で観ましたよ。

※いつも以上にネタバレです

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もうね、本当は観てくださいとしか言えないですよ。
恋愛映画大好きな人は是非行ってください。
ふっつーの恋愛ものだと思った人も騙されたと思って行った方がいい。
普段アニメしか観ない人もアニメファン好みなある仕掛けがあって、小松菜奈が演じるヒロインがとにかくかわいいから行った方がいい。
ついでに叡山電鉄が好きな人もついでだから行っとけ(エンドロール見逃すな)。

一目惚れからの出逢い

主人公の南山高寿は冴えない20歳の美大生。
ある日電車の中で若い女性に一目惚れし、彼女が降りるところを追いかけて声をかけます。
彼女・福寿愛美は高寿と同じ20歳。しばらく話し合って、別れ際、「また会える?」と聞いたところ、彼女は泣きながら「また会える」と残し去っていきます。

次の日動物園でキリンを描いていたら再び愛美が現れて「教室に貼り出されるやつだ」と一言。
その言葉に高寿は引っかかりを覚えつつ、彼女と池を歩いて昔高寿が池で溺れた時女性に助けてもらった話をしたりします。

その後、彼女の電話番号(ただし固定)を手に入れた高寿は愛美と毎日のようにデートを重ねていきます。要はイチャイチャし始めます。
これは個人的にはアニメ「ソードアート・オンライン」以来の壁殴り衝動に駆られましたね。殴る壁が足りない。
そんなわけで序盤は120%デートムービーだったりします。

しかし、未来の事を言い当てたり、高寿が教えてないはずの事を知っている愛美の言動に疑問を覚えだす高寿。
そして事あるごとに涙ぐむ愛美。
「未来の事がわかるって言ったらどうする?」という謎めいた一言も。

そして、高寿が愛美の手帳を拾う中盤になってタイトルが出てきた時、今までの全シーンの見方が変わるのです。
ただのイチャイチャムービーじゃなかった。

まぁ、愛美が高寿の未来の事を知っているのは早い段階から気づけるんですけど、そうだけどそうじゃないんだよ、それが。

見る世界が変わる後半

手帳には30日分の高寿と愛美の行動が記されてました。
戸惑う高寿のところに愛美からの電話が。そして知らされる真実。
愛美は実は高寿と異なる並行世界の住民、つまり住んでる世界線が違うんです。はい、アニオタ大歓喜。
彼女の住む世界は時間が逆方向に進んでいるのです。
高寿が住んでいる世界は1日、2日、3日…と進んでいくのに対し、愛美の世界は30日、29日、28日…と進んでいたのです。

もう少し詳しく解説すると、高寿は2日0:00から始まって2日24:00=3日0:00という事になるのですが、愛美は2日24:00=1日0:00なのです。
つまり、愛美は1日が経つと高寿にとっての前の日に飛ぶのです。

そして5年に1度、30日だけ世界が繋がるので、お互いが会うことができたのです。
ちなみに10年前池で溺れた高寿を助けたのは10年後の愛美でした。
そして、10年後の高寿は10年前の愛美を爆発事故から救っていたというのです。

愛美の手帳は愛美にとっての初日に30日目の高寿から聞いたものを書いてそれに沿って行動していたということ。
逆に言えば、高寿が初めて愛美に会った日は愛美にとっては高寿との最後の日ということに。
「少しづつすれ違う」とかあらすじ紹介されてるけど、重みが凄いよ。

高寿が15日目を過ぎると、愛美は逆に日にちが進むから次の日に会う愛美は前の日の記憶を持っていないんです。
最初にそれを知った高寿は荒れるのですが、15日目より前の愛美も同じようにして少しづつよそよしく、しかも愛美は毎日高寿と距離を開いていくように演技していたわけです。
つまりは、愛美にとっては日を追うごとに「高寿」から「南山君」に戻したりしないといけないんですよ。
もうね、なにこれ。泣いてまうやろ。

で、ラストにもう一度高寿にとっての最初の日が映るんですけど、愛美が言った「また会えるよ」って5年後(高寿にとっての5年前)のことだもんな…
最後に交わした「また明日」って言葉ヤバい。超切ない。

で、最後にダメ押しでback numberの主題歌流れるの卑怯すぎます!
back numberなんて聞くんじゃなかった。

オススメポイント

やはり前半の何でも無かったイチャイチャな日々がすっっっごく愛おしく感じれるのが本作の魅力ですね。
舞台となっている京都の雰囲気と作品の雰囲気が見事にマッチしています。

あとは三木孝浩監督らしい光の演出がいいですね。
淡い陽の光に照らされた愛美は本作の雰囲気と相まって幻想的な素晴らしさでした。本当小松菜奈かわいい。

この東出昌大がすごい

それからもう一つのポイント。
東出昌大の素晴らしさ。

東出昌大はなぜか「桐島、部活辞めるってよ」に始まり、他の映画ではことごとく評価されない方でした。
確かに桐島含めた最初の頃は微妙でしたけど、デスノートとか雰囲気出てたし良かったと思うんですけどねぇ。(デスノートは作品自体の評価が低すぎるんだけど)

そんな東出昌大は高寿の親友・上山正一の役を演じている訳ですが、まぁ、これがとにかくいいチャラ男なんですよ。
彼の雰囲気ともマッチしていて、ネットでは散々東出くんの事を酷評してた人達が手のひらを返したように褒めてるのを見るにつけ、こころの中でドヤ顔ですね(ェ

細かい不満点

そういえばなぜ愛美は携帯ではなくて固定電話なのかって結局語られませんでした。
もしかしたら高寿の世界に愛美の世界の携帯は持っていけなかったのかもしれませんが。

それと、愛美の話だと世界がつながる30日間は、その世界線を行き来できるみたいですが、そもそもそ行き来の仕方も説明が無かったですね。

それから、お互いの過去にお互いの将来が助け合ってる部分とかタイムパラドックス的なあれこれといったSF要素を気にする方もいるかもしれません。
ただそこら辺はタイムリープ・タイムトラベルものでは絶対出てくる疑問点なので気にしたら負けかでしょう。


いやぁ、思い出しただけでもう一度観に行きたくなってきましたけど、実際2回目は愛美の方をよく観ておくと絶対違った気持ちで楽しめるので2回観ましょう!
というか最初から泣くの確定。

今回も長文お付き合い頂きありがとうございました。

こういう素敵な映画を今年もどんどん紹介していきたいと思うので、どうぞよろしくお願いします。

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