「ポッピンQ」感想―2016年決定版誰得映画

本年皆さんにお届けする一本目がこの映画でいいのだろうかと未だに自問自答しつつ書きます。

さて、2016年初頭「エンジェルウォーズ」っぽいアニメ映画があるとご紹介した「ガラスの花と壊す世界」、覚えていますでしょうか。
有名なイラストレーター・カントクさんがキャラクターのデザインを手がけ、有名声優を投下したSF作品ですが、わずか70分弱に設定色々詰め込みすぎたお陰で超絶カオス映画となりました。
そんな作品を「エンジェルウォーズ」っぽいとブログで紹介したところ、結構Twitter等で反応を頂き去年の1,2を争うアクセス数でした。ありがとうございます。

で、本作。私が観る前から既に「エンジェルウォーズ」っぽいと騒がれていて、また俺は似たような映画を観ないといけないのか…と思いながら年の瀬に観に行きました。
結果的には、「エンジェルウォーズ」っぽいんじゃない。超えた。カオスさが。

前置き長くなりましたが、今日はそんな「ポッピンQ」を紹介。


  • 製作年:2016
  • 公開日:2016/12/23
  • 上映時間:95分
  • 監督:宮原直樹
  • 出演:瀬戸麻沙美、井澤詩織、種崎敦美、小澤亜李、黒沢ともよ、小野大輔、島崎和歌子、羽佐間道夫他
  • 概要:ダンスで世界を救います。インディアン嘘ツカナイ。

評価:判定不能
オススメ:自分の目で確かめろ…マジで。

まー、なんというか、轟けミソっかすですよね(意味不
勢いがないせいで、「エンジェルウォーズ」と違って飲み込めないんです。

まずこの作品ですが、プリキュアのエンディングのダンスシーンを手がけてきた宮原直樹氏による作品。
このプリキュアのダンス、これが馬鹿にならなくて毎年凄まじい進化を遂げていることで一部界隈からも注目されています。

そんな監督だからか、いやだからこそダンスを中心に据えた本作。
ざっくり言えば卒業を控えた人生に迷う中学生5人が、異世界に迷い込んでダンスで世界を救うというお話です。

ダンスで世界を救う…?あの主人公走ってるのなんだろう?
もうね、予告編の段階から意味不明だったけど、観た後もよくわからなかったというのが正直な感想です。
しかも、当ブログでも鎮座する評価の低いク◯映画と違って嫌いになりきれないんだよな…なんだろうこの複雑な気持ち。

※以下ネタバレあり

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なんと、この作品、冒頭の映像が公開されています。
ちなみに私は冒頭のOPで精神崩壊しました。とりあえず思考するのやめるよねー。

まぁ、でもマスコットが出てきたり、服を着替えて、っていうのはまさにプリキュアって感じですね。

人生の迷子が異世界で迷子に!?

メインキャラは中学校の卒業を目前に控えた5人の女子中学生達。
主人公の小湊伊純(瀬戸麻沙美)を始め5人の少女達はそれぞれに悩みを抱えていました。
ある日光るカケラを拾った伊純は時の谷と呼ばれる異世界に迷い込んでしまいます。
時の谷ではキグルミという敵が支配を広げ、世界の危機が近づいていました。
世界を救うには同じく時の谷に迷い込んだ5人でダンスを踊る必要がありました。
しかし、沙紀(黒沢ともよ)はみんなと踊ることを拒み…

以上、真面目なあらすじです。
不安だったダンスの存在価値ですが、一緒に踊ることで力を発揮するというのが演出面でも説得力を持たせていてよかったです。
でも問題はそこじゃなかったんだ…

不満点

この作品、カオスすぎてもはやどこが不満点かすらわからないんですけど、強いてあげるなら超絶強引なご都合展開でしょうか。
まぁ、「エンジェルウォーズ」や「ガラスの花と壊す世界」、本家プリキュアシリーズですらご都合主義展開が元々多いんですけど、前者2作は勢い、プリキュアシリーズはそうとは思わせない自然な脚本で違和感をさほど感じません。
しかし、本作は対して勢いも無いのにそういう強引な展開を隠せてもいないので「なんでだよ!」ってツッコミというよりはちょっとイラッとしてしまうんですよね。
各々の能力が判明するシーンだったり。

一番の象徴が予告編にも出てる伊純がダッシュするシーン。
何秒以内に通らないといけないだったり云々の部分が条件細かすぎるし説明的すぎて、すっごい違和感になっていました。
だって負けたライバルのタイムより0.01秒だけ早く行かないといけないんだぜ、不自然ってレベルじゃねーぞ
というか全体通して、蒼(井澤詩織)の能力そのものに強引さを感じずにはいられなかったですが。

いい点

いいところは一にも二にも「キノの旅」、「世界征服~謀略のズヴィズダー~」等のキャラクターデザインを手がける黒星紅白先生のキャラクターでしょうか。
どちらかと言うと萌え路線ではあるのですが、監督のインタビューの通り黒星紅白先生の女の子のラインとかは嫌らしくないんですよね。そこまで配慮してるとは、監督わかってる。
なんだったら最近のプリキュアのほうがエロいし、萌え萌えだもんね。(そのせいか、2017年の新作プリキュアは従来と比べて露骨に子供向けの絵柄に持ってきて大きなお友達が試されている気が)
それでも、こんな萌えイラストでは抵抗があるのではという声もあり、中学生が観に行くのは難しいのだろうか。。。
ちなみに高校生、大学生になってくると最近オタクじゃなくても深夜アニメ普通に観てますしおじ様方が心配するほどそんなに抵抗感ないですよ。
そういう点を考えても元々家族と映画行くのに抵抗出てきてるであろう中学生を狙うのって財政的な面も絡んで難しい。

閑話休題。

次にいい点は、主題歌を歌うQuestyがいい。
彼女達はEXILE一族の芸能事務所LDHのダンススクールから出てきたグループで、ダンスはもちろんのこと、EXILEの「時の欠片」も手掛けたDaisuke”DAIS”Miyachi氏による曲もいい。

そして、この作品の本当に凄いところが、話としては割とまとまってるんです。
要素としては完全に四散分裂してるのに、話としてはまとまってるんです。
ね、意味わからないでしょう?私もわかりませんよ(にっこり

衝撃のラスト

最後、みんな無事に卒業…
本当にここまではよかったんですよね。
で、で、あのラスト!
続編作る気満々じゃねーかよ!!!というか本作ただのエピローグでした(念のため伏せ字)

まぁ、でも東映アニメーションのオリジナルアニメとしては前作の「楽園追放」が神レベルの映画だったので、一度くらいくじけてもいいんだ。
そういうことにしておきます。
でも個人的には続編が気になるところです。

※ちなみに、「楽園追放」は全編CGアニメだったのですが、そのCG班は「正解するカド」というTVアニメを製作中。これは楽しみ。

まぁ、でも話の強引さのところでも語りましたが、表面上は丁寧な物語進行なせいで勢いがあまりなく、詰め込み要素やストーリーのカオスさが露呈しすぎるのが、「エンジェルウォーズ」や「ガラスの花と壊す世界」との違いなのですね。だから個人的にはがらこわの方が好きです。
勢い、本当に大事。

参考

『ポッピンQ』この映画はいったい何なんだ!監督とプロデューサーの発言まとめ(ネタバレなし)
毎度お世話になってるヒナタカさんのブログ記事
【インタビュー】「ポッピンQ」の魅力を監督に訊く―青春にダンスにアクション、多角的に楽しめる成長物語 | インサイド
監督のインタビュー読んでると各所こだわりがあって凄い、凄いんだけど…

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