「湯を沸かすほどの熱い愛」感想―溢れる愛に涙が止まらない

泣いた。ボロボロ泣いた。
映画でこんなに泣くとは思わなかった。

今日は「湯を沸かすほどの熱い愛」を紹介。


  • 製作年:2016
  • 公開日:2016/10/29
  • 上映時間:125分
  • 監督:中野量太
  • 出演:宮沢りえ、杉咲花、篠原ゆき子、駿河太郎、伊東蒼、松坂桃李、オダギリジョー他
  • 概要:銭湯を営む幸野家だったが、父の一浩(オダギリジョー)が蒸発し、休業状態。母の双葉は持ち前の明るさでパートをしながら娘の安澄(杉咲花)を育てていた。しかし、ある日双葉が末期がんで余命を宣告される。そこから双葉は「絶対にやっておくべきこと」を決め実行に移していく…

評価:11/10
オススメ:全員いいから今すぐ観ろ

今年の映画No.1は本作です。
(残りの日付から目を反らしつつ)

ぶっちゃけ、最初あまり魅力的には感じなかったのです。
だってまずポスターが地味だし、余命を申告された母親が~ってうっすいお涙ちょうだいモノにしか見えなかったですもん。
今はそんな自分を殴り飛ばしたいです。

宮沢りえをはじめとしたキャスト陣も素晴らしいです。
杉咲花は繊細ででも数々の困難に立ち向かう学生を演じています。
オダギリジョーは「奇跡」や「舟を編む」の感じの彼が好きなら絶対本作の彼も好きになれます。冒頭不倫して蒸発してるんだけど。
松坂桃李君も出る映画にはなかなか傑作と呼べるものがなかったので本当によかった…(「ガッチャマン」の闇に触れるのはやめよう)

中盤までに出てくる細かいネタが後半全部生きてくる脚本もとにかく秀逸。
詳しくはネタバレ部で語りますが、まぁ、本当に何気ないシーンが全部生かされてくるの本当に凄いから。

ちなみに観る前に篠原ゆき子が演じる役名知らないと他の方より一度多く驚けるので、ホームページとか極力見ない方がお得です。

※一人でも多くあの感動を味わって欲しいからこそあえて詳しくは語りません

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今なら引き返せる。映画観てないなら今すぐこの感想を読むのをやめるんだ。
なぜなら、「脚本が秀逸」と述べた通り、この映画は徹頭徹尾全てがネタバレになるからだ。
もう一度言おう、今なら引き返せる。

あぁ、それでも読んでしまうんですね。

 

双葉という母親

まずは母の双葉がどういうキャラか紹介します。
一言でいっちゃえば明るく元気な肝っ玉母さんという感じでしょうか。

学校でいじめられ本当は不登校したい娘の安澄を毎日「立ち向かえ」と強引に学校に行かせてます。PTAに訴えられるぞ。
それでも、何かあればすぐ学校に駆けつけたり、帰りを家の前で待っていたりとなんだかんだで心配な優しいお母さんでもあります。

しかし、ある日がんが発覚し余命を宣告されると、色々行動に移していくのです。

まずは蒸発した夫の一浩を連れ戻し銭湯を再開させることでした。
探偵の滝本(駿河太郎)に依頼して場所を特定し、単身殴り込みに向かいます。玄関で対面した途端に一浩の持ってたおたまを強奪し殴りつけます。
で、頭から血が出たのをそのまま奪ったおたまですくうのシュール過ぎるから!

さらにすき焼き奮発したり、娘の勝負下着を買ってあげたりします。

この勝負下着のくだりもちゃんと伏線を張っていて、
冒頭で洗濯物をたたむ時安澄の地味な白の下着を見て、「まだ大丈夫」とつぶやく
→安澄がいじめで絵の具を塗りたくられ、双葉と会うなり「数えたら12色ちゃんとあったよ」と言い出すと「その中で何色が好き?」と双葉が聞く、「水色」と安澄が答える
→水色の勝負下着
というちゃんとした流れがあるからいいんですよね。
さらにこの勝負下着マジで出番が来ます。

安澄という娘

そんな安澄は前述の通り、無理矢理学校行かされてる感120%の女の子。
母親譲りの優しい性格の持ち主で、耳が聞こえなくて困っていた人を助けたりしてます。

例の勝負下着を手に入れた後、盗まれた制服を巡って本当に勝負が始まったり、後述の一浩の連れてきた妹の鮎子の前でお姉ちゃんらしく成長したりしていきます。

あの制服を取り戻した時の「私にもお母ちゃんの遺伝子ちょっとあったよ。」って台詞。
この後とんでもないインパクトで返ってくることになります。

彼女の試練はこれからだった…

一浩というクズ父親

一浩、お前は最低だ。

鮎子

鮎子は一浩と冒頭で駆け落ちした女性との間にできた女の子です。
彼女小学生です。つまり(察し

双葉の愛に包まれて成長していきます。


で、ここまでならただの家族のあったかヒューマンドラマなんですけど、後半が凄いのです。
今まで撒いてた伏線を一気に回収するのです。

詳しくは語れるわけないじゃないか馬鹿野郎!

例えば、先述の耳が聞こえない人を助けるシーン。
最初別の女性がジェスチャーで必死に理解しようとしてたのに後から来た安澄が速攻で解決してしまいます。
→実は???

安澄「私にもお母ちゃんの遺伝子ちょっとあったよ。」
→実は???

鮎子の場面で何度も母親が「必ず返ってくるからね」と言い残しつつ小さな女の子を置いていくシーン
→実は鮎子の回想シーンではなく???

毎年知り合いから送られるタカアシガニもとんでもない伏線でした。
→子供の自由な文のほうがいいと安澄が返事を書かされていたが???

一浩「(双葉に向かって)安澄に打ち明けるんだろう?」
→双葉のガンのカミングアウトと見せかけて???

あとは一浩と双葉の会話

一浩「最期に何か希望とか無いの?」
双葉「新婚旅行エジプト旅行って言ったのにまだ行ってない」
一浩「それはさすがに無理だよ…」
双葉「何か一つぐらい叶えなさいよ」(あとで双葉は冗談よって一応はぐらかします)
→後日小さな木彫りのピラミッドをプレゼント
双葉「なんとも小さいピラミッドね」
→後日一浩が???

また、別のシーンでは

双葉が一浩に向かって「私がいなくなったら支えていけるか心配ね」
→後日一浩が???(上記と同じシーンに繋がる)

これも超感動シーンに繋がっていきます。もうね、ボロボロ泣いた。
「僕は~ただの数合わせですぅ~」には笑ったけど。
おたまといい、ちょいちょいネタ挟むのやめましょう。

そしてラストのシーン。これが本当にいいんですよ。
さすがにこのシーンは後半の方であっ(察し 状態でしたが、それでもあれがああなってタイトル出た時には感動でした。

松坂桃李演じる拓海君も最初出落ち感すごかったのですが、ちゃんと後半で活躍してくれます。

本当に、熱いお湯に入ったような素敵な映画です。
映画館を出る時には銭湯から出てきたような爽快感味わえます。是非劇場に。

野暮?な不満点

もちろんこの映画にだって欠点はあります。
それが既に各レビューサイトでも指摘されている監督の変態性です。

安澄が下着姿になったり、ょぅじょがおぱんつぬぎぬぎした上でおぱんつ置いていくし、おもらしとかもうね、この監督たしかに頭おかしい(褒めてます
個人的には全体的な話が凄くいいので、実はそんなに気にしてなかったのですが、気になる方は気になるみたいですね。

ただ、一つ言いたいのは指摘のうちの一つ、「あんな話子供達の前でするのは非現実的過ぎる」って方いますけど、街頭インタビューとかの番組見てるともっと酷い会話やってるご家庭ごまんといますからね。悲しいかな。
それが気になるのは単にあなた様の家庭が素晴らしい家庭だということなのです。大切にしてください。

 

オススメレビュー
映画「湯を沸かすほどの熱い愛」感想 評価 ネタバレあり – モンキー的映画のススメ
もっと読みやすくかつ一番の核心は避けられてる感想です。オススメ。
映画「湯を沸かすほどの熱い愛」について叫びたかった ―映像の基本に隠された油断 : マスティの「アレが叫びたがってるんだ」
演出面に絞ったわかりやすい解説は必見です。

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2件のコメント

  1. ツナグはスマッシュヒット(17億)したし、彼はあれで新人賞や主演男優賞頂いたりしてるのですが、あなたの感性には合わなかったということでしょうか?

    1. >ppさん

      コメントありがとうございます。
      返信遅くなり大変申し訳ございません。

      ツナグって世間ではかなり凄い作品だったのですね。
      私含めて周囲の評判は芳しくないので本当に合わなかったの一言になってしまいますね。
      ブログの表現は修正致します。ご指摘ありがとうございます。

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