「リップヴァンウィンクルの花嫁」感想-この世界は優しい

こんにちは。
今日は「リップヴァンウィンクルの花嫁」のご紹介。

本作は上映時間3時間という長尺なのですが、大体3時間前後の映画(大体150分~180分)って良作の割合が多いイメージがあります。
例えば、今まで観た映画では「アバター」、「涼宮ハルヒの消失」、「カラスの親指」といったどれも素晴らしい作品揃い。「戦場にかける橋」は3時間映画筆頭格ですね。
なので、上映時間3時間にひるまず、むしろ3時間映画は当たりと思って観に行ってください。それが一番言いたかった。
(マイケル・ベイの「トランスフォーマー」シリーズだって面白いだろ!!!ク◯映画とか言うな!)


  • 製作年:2016
  • 公開日:2016/3/26
  • 上映時間:180分
  • 監督:岩井俊二
  • 出演:黒木華、綾野剛、Cocco他
  • 概要:派遣教員の皆川七海(黒木華)はSNSで知り合った男と結婚する。しかし、結婚式に呼ぶ親族がいなかった七海は同じくSNSで知り合ったなんでも屋の安室(綾野剛)に結婚式の代理出席を依頼する…

評価:6/10
オススメ:嘘つきな人達、いつも流されてる人達

有名な日本監督の一人である、岩井俊二監督最新作です。
「スワロウテイル」や「花とアリス」といった人気作他、東北大震災復興ソングの「花は咲く」の作詞も手がけています。
有名な大物監督でありながら映画ファンからの人気も高いのが他の監督との大きな違いですね。(他の監督は大体映画ファンからは嫌われてる人多い…)

本作は映画ファンの心をわしづかみにし既に邦画とは思えないぐらい評価が高いです。
なので、私も観に行ったのですが、10点とまではいかなかったです。
それどころか6点って… 一部の方々から私の存在を消されるのではないかって気がしなくもないですが、ちゃんとご説明しますので。

でも、間違いなく言えるのはストーリーは傑作レベルです。ストーリー、は。
あと、メイド服と百合が好きな方で普段2次元にしか興味ない方も意外と楽しめるかもしれません。(ただし前半生き残れたら)

※以下ネタバレにつき未鑑賞の方の閲覧をご遠慮頂いております。

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最弱の主人公

最初に悪い点を上げて申し訳ないのですが、黒木華演じる皆川七海が尋常じゃなく弱いんです。
ぼくのかんがえたさいじゃくのしゅじんこう」です。段差1段外しただけでも死にかねないぐらい弱いです。
まわりに流されまくり、自分の意志が無くor主張せず、声も小さく、目立つことも極力避ける。悩みは抱え込んで勝手に決断する。なんか中学校に生徒としていそうな奴です。

そんな彼女はSNSでだけ本音を言います。しかも具体的に色々書いてるから速攻で夫にバレます。本当そこら辺にいそうなあたりが余計嫌悪感出てしまうんですよね。
他にもスマホ持ってながら電話で「ここはどこですかぁ」とか言い出したり、追いつめられてしゃっくりが出だしたり…だからリアル弱者すぎるからやめて差し上げろ。
しかも、この映画の最後に成長するかといえばそうでもないのが致命的すぎます。
一応変化はありますけど、長尺使った分だけの報酬が返ってきたきがしないんですよね。辛い。

そんな最弱、情弱な彼女が転落していく様子が約1時間半近くかけて描かれるものですから、新手の拷問かと思いました。
ただでさえ3時間あるのに前半の1時間で3時間ぐらいは経った気がします。

SNSで知り合った男と結婚。しかし、夫が女物のピアスを持っていたことから夫に不倫疑惑が。
SNSで同じく知りあったなんでも屋の安室(綾野剛)に浮気調査を依頼します。
時を同じくして夫の不倫相手の女と付き合ってた男が現れるのですが、簡単に家に上げ、男の話を簡単に信じこんでしまい襲われそうになります。
しかし、それを写真に撮られた上に、夫の母親にその写真が渡っており、離婚させられてしまいます。

七海はなんとか見つけたビジネスホテルでバイトをしながら少しずつ立てなおそうとします。

超展開

ただ、ここからは凄いです。
過去最低映画入りも視野に入りかけてたのが後半とんでもない展開になります。
言うなら、
イッツァファンタジー!!!
今年の最低映画候補から逆転サヨナラ起こす奇跡っぷりです。

まずは、お屋敷に黒木華がメイドさんになります。しかも、あのクラシカルなメイド服ですよ!
えっ、この映画ってそういう映画だったの!?
とりあえずさっきまでの陰鬱な気分が一瞬で消し飛ぶレベルでした。ぶっちゃけ、あまりにも超展開でもう考えるの諦めた。

そして里中真白(Cocco)が同じくメイドとして働いていることを知り喜ぶ七海。
先程は語らなかったのですが、真白は安室が斡旋したバイト(結婚式の代理出席)で知り合った偽装家族の長女でした。(七海は次女)
でも、真白の事を知るにつれ、状況が変わっていきます…
ここからは詳しく語れるわけがねぇ、もう観てくれとしか言えません。
本当にここから後半は体感時間10分ぐらいの怒涛の展開です。
もうね、言語化不能なぐらい素晴らしいのだけは保証します。

個人的には真白の語る「幸せ」の話がとても深いです。
これも色々ネタバレになるから伏せますけど、あれを七海に語ってるシーンが幻想的でその後の展開を思うと、もうね…

2人の嘘つき

主人公の事をボロクソかきましたが、一方で変化していく人物が2人います。真白と安室です。

真白は自分の寿命が長くないことを知って、結婚詐欺のバイトで一緒に心中してくれる人間を探していたのです。
実際見つけた七海を安室経由でメイドとして雇い、自分自身もメイドという設定で距離を縮めようとしていたわけですが、七海の優しさに触れ最後は彼女だけが死んでしまいました…

そして、安室です。彼、安室はなんでも屋で俳優という人間。
胡散臭さがあり、実際元夫の母親に依頼され、男を七海に襲わせたのは彼の仕業です。
まぁ、途中であるとおりクライアントは秘密が絶対というまさにプロというところで、彼は常に演じていたという意見があるのもなるほどのところです。
そんな安室も最後は裸になって感情をむき出しにして泣き叫んだり、七海の為に家具を用意したりしてくれるようになりました。
あと純粋に「ランバラルの友達ですから」って軽い感じで言う綾野剛が好きすぎた(末期

ともかく、この2人のささやかな変化がこの作品に大きなインパクトを与えています。
そんな2人を変えたのは七海の優しさなのは間違いないでしょう。
(実はこれ、逆に悪い点にもなってて七海が成長してないイメージが強くなるのが、これ彼女が「本来持っている」魅力だからなんですよねぇ…隠された能力とかではないから余計)

小ネタ

なぜか、ガンダムネタが入っていたのも印象的ですね。
綾野剛演じるなんでも屋の名前が安室行舛。「あむろゆきます」→「アムロ、行きまーす!」これは酷い(褒め言葉
さらに彼のSNS上の名前は「ランバラル」です。
そしてお屋敷には明らかにガンダムで見かけたような衣装が…
エンドクレジットで美術協力にもちゃんとサンライズ(ガンダムシリーズの制作会社)の名前がありました。
でも、これ真白がAV女優だと知ると「コスプレエッチに使ったのかぁ~」てなんか微妙な気持ちになりました。
サンライズはこの事実をご存知なのかが気になって夜しか眠れません。

 

それにしても、観終わった後に改めてタイトルを見ると本当に素晴らしいタイトルだなって思います。
映画鑑賞後に味の出るタイトルはいいです。
タイトルの意味を知りたい方は是非劇場へ!

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2件のコメント

  1. 本作の前半と後半の転調振りがレビューで好く分かりました。メイド姿が出て来た時に思い出したのは、是枝監督の映画(空気人形)とか韓流ホラー映画(下女)などでした…。白い二人のウエデイング姿と真白(死者)とのキスシーンは夢の如く♪唐突な、りりいたちの裸身、羞恥心を追体験?ーには!ビックリ!!アニメーション映画(花とアリス殺人事件)の謎解きミステリーと何処かで繋がっているみたいな気になりました… 。

  2. PineWoodさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
    お褒めいただき光栄でございます(*´ェ`*)
    後半は本当に夢の様な世界のような体験ができました。これをアニメーションではなく、実写で違和感無く表現した岩井俊二監督はすごいです。
    「花とアリス殺人事件」はまだ観てないので観てみようと思います。

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