「何者」感想―20代限定スーパートラウマ映画

こんにちは!
みなさん、就活ってされましたか?
多分もう二度と経験したくないと思った方は少なくないはず。私もそんな一人です(そう言いながらつい最近まで転職活動してましたが…)

そんな就活時代をもがき苦しんだ人を問答無用で地獄へ落とす何者」を紹介します。


  • 製作年:2016
  • 公開日:2016/10/15
  • 上映時間:98分
  • 監督:三浦大輔
  • 出演:佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之他
  • 概要:成り行きで就活の情報交換の為に集まった5人。海外留学の経験や人脈を武器に就活に立ち向かっていく彼らだったが…

評価:8/10
オススメ:心臓の強い就活経験済みのSNS時代に生きる20代の若者だけが観ることを許される

原作は「桐島、部活辞めるってよ。」の朝井リョウが最年少で直木賞を受賞した小説です。

この映画は

  • 就活
  • SNS
  • 意識高い系

と3つの「恐怖」が襲い掛かってきます。表現間違ってない。
要は大学時代に少しでも後ろめたさ的なものを持っていた人がもれなくトラウマスイッチを踏み抜かれる素晴らしい作品となっています。

あと20代以外の方は残念ながらほぼ例外なくお呼びでないです。
それぐらい刺さる世代は限定されてます。そういう意味でも万人受けは全くしません。

※以下、ネタバレ
※いわゆる意識高い系の人達に対して辛口です

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今回は時系列ではなく、登場人物ごとに色々思うところ書こうと思います。

拓斗

佐藤健演じる主人公の拓斗が、もうそれはそれはな人で。多分彼に重ねて観た非リア充は少なくないはず。
演劇の脚本家をやっていはいましたが、裏でSNSで悪口書いたり、就活上手くいかずもがいてる感じとか、もうなんという俺みたいな奴でした。
Twitterで、周りのメンバーのアカウント探して監視してたり、モジモジしているうちに友人に好きな子取られるし…もうね。
あと他の人が内定取った企業の評判、演劇サークルの元メンバーの立ち上げた劇団の評判も調べたりしていました。そういう周りの評価気になって仕方ないんですよね、わかる。

まぁ、個人的には「頑張ってるアピールすんな」って拓斗が常々言ってるのがグッサリきましたけど。
リアルじゃこういうこと言ってるやつに限ってアピールしてたりするんですよね。
そこら辺は拓斗はそういうところは一切なかったですけどね。でも前述の通り、周りの評価を無意識ながら強烈に意識しているんですよね、彼。

そんなわけで、就活もうまくいかず苛立ちが募ってああなってしまったのですね…
やっぱり、あれは俺自身じゃないかって思います。

光太郎

菅田将暉最高だった。
彼はバンドマンだったけど、冒頭で就活の道を進むことになります。
拓斗がどす黒い人間なのに一方光太郎は拓斗にデレデレなんですよ。卑怯。
後述の瑞月の元カレなんですけど、別れたのも就活の道に進むことにしたのも昔好きになった娘の為とか。どんだけ純粋なの。
こういうタイプのキャラ、普通の映画にはゴロゴロいますけど、あまりにもリアルな本作の中では唯一のファンタジーキャラでしたね。

瑞月

有村架純演じる瑞月は海外留学していて英語が就活の武器だったみたいです。
彼女は最終的に大企業に内定を取れるわけです。
やっぱこのタイプはなんだかんだで勝ち組進みますよね。そうですよね。

理香

二階堂ふみ演じる理香は典型的な意識高い系女子。
彼女も海外留学してましたが、語学留学っぽい感じだった瑞月に対して理香はボランティアだのなんだのと、もうね、まさに、だよね。
実際こんなのいるわけ無いだろって仰るおじさん、おばさん達がいますが、実際就活の場に行くと結構転がってますよね。
もちろん、拓斗とは反りが合わないです。俺だってやだもん。

てか終盤の理香怖すぎるよ!「貞子VS伽倻子」の2000倍は怖かった。

隆良

就活はしない。クリエイティブな事やっていく。「原発があんなことになっているのに俺達このままでいいの」
こういう人いますよね。Twitter見てると特に。意識高い系の極みみたいな人です。
でも隆良の場合、裏では就活してるっていう。まぁ、彼も人並みに悩み抱えているんだよ(小並

ギンジ

さて、本作ではキャストも誰かわかりませんが、ギンジというキャラクターが大きく関わってきます。

簡単に言えば、まさに「桐島、部活辞めるってよ。」の桐島みたいな奴です。本人はほぼ出て来ないのに作中一番存在感のあるキャラクターです。

ただ、桐島と違ってギンジと主人公・拓斗との関係は深いです。
演劇サークル時代共同で脚本をやっていた人物で、元々性格が合わなかった為か、ある日二人は決別。ギンジは新しい劇団を立ち上げ独立します。

本作は彼と拓斗の対立構造でストーリーが進んでいく事によって、一体自分が「何者」なの考えさせられるような内容となっています。

その他

あの就活の方向性による軋轢の生じ方とか妙にリアルっぽくて嫌すぎた。特に拓斗と理香が最初からギスギスしてるのもう嫌だった。
まぁ、私には就活を一緒に戦う仲間なんていないようなものだったから隙なんてなかった(震え声

それにしても就活生達が語るあの上辺だけな感じの面接、カミソリシュートかと思った。
就活の時はあれが正しいと思ってたけど、今客観的に観ると酷いよな。
やっぱどんな奴が就活生き残ってたのか、今なら少しわかる。

あとリクナビのサイト見ただけで既に体力の9割削られたからね。

最後の隆良の口から飛び出た拓斗の就活浪人カミングアウト。
就活浪人とかやめて!鑑賞者のライフはゼロよ!
浪人まではしなかったけど、適当に会社選んでしまったがために転職活動することになった私の精神力には耐えられない!

拓斗が言う頭の中にある内はなんだって傑作とかも地味にインハイ攻めてきててアレ(野球ネタばかりですみません)

あと地味に山田孝之演じるサワ先輩がいかにもな理系院生で、台詞も知り合いの院生達がよく言う台詞まんま過ぎて唯一の爆笑シーンでした。

音楽

あ、この作品音楽をきゃりーぱみゅぱみゅやPerfumeのプロデューサーでもある中田ヤスタカが手がけていて、サントラ買いたいぐらいの素晴らしい出来栄えです。
主題歌はさらに中田ヤスタカと米津玄師がコラボしていて、きゃりぱみゅやPerfume等通常提供する楽曲は全て音楽だけでなく作詞も行う中田ヤスタカが作詞を米津玄師に任せているというのがポイントです。
米津玄師は元々ドーナツホールでネット民では有名でしたが、東京メトロCMやニコンCMソングで一般人にも浸透しつつあるアーティストです。
彼の書く詩は近年のアーティストの中でも群を抜いてセンスがあると思ってます。個人的に。
そして、菅田将暉のライブで歌う曲も忘れらんねえよLAMP IN TERRENが提供していたりと、音楽面が個人的に充実し過ぎで最初観に行った動機の8割音楽ですからね…

 

本作は他の映画では現実逃避の常套手段化していた二階堂ふみの可愛さに逃げるという手段を絶たれ、菅田将暉の可愛さでもその黒さを薄めきることができなかった本作。
なんとか音楽で理性保っていたと思います。そうじゃなければ、本編開始5分で映画館を飛び出してた。

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2件のコメント

  1. 20代の若者だけが観ることを許される…確かにそうだったのかも。正直、三十路のおばさんには理解できないところもありました(笑)。
    けれど、若者たちの「誰かに認めてもらいたい」というヒリヒリとした痛みは伝わってきて、とにかくみんな頑張れ!と応援したくなりました。

    ただ、光太郎くんをわたしはただの純粋な男の子とは思えなかったです。タクシーのシーンで、一番闇が深いのはこの子かも…と思っちゃったんですよね。菅田将暉の演技のせい?

    1. ナオミントさん
      コメントありがとうございます。

      この作品はSNS時代に就活したかどうかで全然感じ方が変わってくるので、
      本当に今の22~30いくかいかないか位の方以外が観てもピンと来ないかもしれません。

      「結局俺は『就活』が上手いだけ」っていうところ、光太郎も「何者」か探してるというのがよく分かる好きなシーンです。
      ただ私はあまり闇感じなかったですね…

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