今日は「アイアムアヒーロー」を紹介します。
- 製作年:2016
- 公開日:2015/4/23
- 上映時間:130分
- 監督:佐藤信介
- 出演:大泉洋、有村架純、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、片桐仁、マキタスポーツ、塚地武雅、徳井優、長澤まさみ他
- 概要:ワクワク、ドキドキ、ZQN(ゾキュン)パニック!
評価:9/10
オススメ:グロ映画大好きっ子、ゾンビ映画大好きっ子
いやぁ、まさかこんな映画が日本映画として出てくるなんて誰が想像できたでしょうか。
ちなみに、本作かなりのグロ耐性がないと途中退場しかねないのでご注意を。
監督は佐藤信介。「GANTZ」や「図書館戦争」といった、近年では「るろうに剣心」の大友啓史監督と並び日本映画で数少ない迫力のあるアクション映画を生み出す方です。
また、脚本は野木亜紀子。「俺物語!!」、「図書館戦争」と原作の活かし方がとても上手く、原作ファン納得の実写映画を次々生み出しています。
そんな2人が「図書館戦争 THE LAST MISSION」以来のタッグで世に出す最新作です。
そんな「図書館戦争」スタッフから超絶グロ映画が飛び出してくるなんて夢にも思いませんでした。
しかも、この映画東宝が配給している点が凄いんです。
東宝といえば、東宝系列の映画館は300以上、東宝配給作品は必ず系列映画館で上映は強制、初週は何回以上、映画館の中でも一定のキャパのスクリーンでの上映を強制させるといった手法で全国の映画館の大きなスクリーンを占拠しています。
そんな東宝が実写映画作っては酷評されるというところでも映画ファンにはお馴染みです。たまに真面目な映画を作ってきますが、それらは言い換えれば無難なものも多かったのです。
本作はそんな東宝系列映画館で上映する映画でありながら、今まで全く観たことない映画を作り上げ、そして多くのスクリーンでそれを普及させるという超意欲作なのです。
さて、ゾンビ映画と言えばブラット・ピット様が主演の「ワールド・ウォーZ」や日本人にとってゾンビものの代表「バイオハザード」シリーズが真っ先に思い浮かぶ方も多いようで、実際本作と比較して説明している方もいらっしゃいます。
しかし、私自身は本作を観て真っ先に思い浮かべたのは前述の大作ゾンビ映画ではなく、B級映画の(個人的)傑作「ゾンビランド」です。
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ジェシー・アイゼンバーグはこういう変わった人間が似合いすぎます。
簡単に「ゾンビランド」を説明するとゾンビがはびこる世界で生き残るジェシー・アイゼンバーグ演じる主人公が同じく生き残った同じく元々社会のはみ出し者だった人間で旅をするロードムービーで、公開時はR15ですがアクション要素、グロ要素は弱めです。
でも、雰囲気的には前述の2作品よりは近いと思うのは私だけでしょうか。
閑話休題。
本作は前述の洋画よりもとにかくグロいのが特徴的で昨日紹介した「テラフォーマーズ」といい、徹底的に映倫に勝負を挑む姿勢が素晴らしいです。
「悪の教典」、「渇き。」は倫理・精神的にR15とは思えないアウトっぷりでしたが、本作は完全にビジュアル面でR15とは思えないアウトっぷりを発揮していて本当に日本映画でこういう映画が出た事自体を嬉しく思います。
※以下ネタバレ解説
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襲いかかるZQN
本作は謎の感染症によってZQNになるという話。
恋人に襲われそうになるところから、始まり職場、そして街中へ…
次第に広がっていく恐怖、大量のヘリやジェット機が飛んでいる足元で人々が逃げ惑う様子…
この前半の映像だけで涙流れます。
そんなZQNは他のゾンビ映画と違ってゾンビの個性が強調されている点が好きです。
ZQNは「直前の記憶」を引き継ぐというものがあり、ずっとつり革に捕まったままのZQNや永遠に「いらっしゃいませ」って言い続けたり…
(Twitterで彼に永遠に時給が払われないってコメントしてる人がいて天才かと思った)
ダメ男・英雄(ヒデオ)が真の英雄(ヒーロー)へ
主人公は大泉洋演じる鈴木英雄です。
漫画家のアシスタントをする傍ら、デビューを目指しているのですが主人公に個性がないと編集部には相手にされません。
彼女ともうまくいかず冒頭に破局してしまいます。
趣味の銃が離せなく、追い出された時も「銃の許可証がないと銃刀法違反になっちゃう」って彼女に懇願する画は酷かったです(褒め言葉
また、妄想癖でよく妄想シーンが作中では挟まれます。
そんな、特徴の無いダメ男の英雄がZQNパニックに巻き込まれ成長していく様子が描かれます。
やはり有村架純はかわいかった
有村架純演じる早狩比呂美はタクシーで逃げる際に出会います。
そんな彼女も、赤ちゃんZQNに噛まれていて、感染してしまうのですが、完全にZQNにはならず、なぜか英雄についてくるようになります。
彼女、半ZQNになってからは喋らなくなるのですが、有村架純は喋らなくても全然かわいかったです(真顔
あ、長澤まさみも素晴らしかったです(オイ
「海街diary」ではどこかエロスのあるお姉さんだったのですが、本作は男勝りなカッコいい藪を演じています。
戦ってる長澤まさみもいいし、最後英雄に助けを求めるところもいいっすね。ギャップ萌え。
やりたい放題アクション
本作の魅力の一つはやはり、アクションシーンです。
カーアクションシーンでは車ひっくり返るわ車でZQN引きずります。
そして終盤の英雄が猟銃を手にZQNと戦うシーン。
グロさとガンガンZQNをぶっ殺す爽快感ありつつも、後半に徐々に追い詰められていく感じがよかったです。
それと、ZQN演じる人達が楽しそうで何よりです。
これは韓国で撮影し、ハリウッド映画も手掛ける韓国スタッフを大量に投下したことが大きいようです。
日本では撮れないシーンを迫力を持って描き出しているのはさすがとしかいえません。
「Fight For Liberty!」
本作の紹介記事タイトルを「Fight For Liberty!(戦え、自由のために!)」にしたのは、本作が英雄達がゾンビ達から逃げその先を目指すというのもあります。
ただ、一番は洋画とは違い色々しがらみのある事で有名な日本映画界において、極限まで高めたグロ要素、銃描写、激しいカーアクション、そして今は規制圧力の強いタバコまでもが全載せ。しかも一番日本でスクリーン数が必然的に多くなる東宝映画として堂々と見せつけてきた本作の意欲というか、意志というものを感じて付けました。
こういった映画が出てくる事自体を嬉しく思いますし、これからももっと出てきて欲しいと思います。
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