「勝手にふるえてろ」感想―勝手に震えて、どうぞ

今年最初にご紹介する映画は「勝手にふるえてろ」です。

この映画、本当に色んな意味で震えます。


  • 製作年:2017
  • 公開日:2017/12/23
  • 上映時間:117分
  • 監督:大九明子
  • 出演:松岡茉優、渡辺大知(黒猫チェルシー)、石橋杏奈、北村匠海(DISH//)、古舘寛治、片桐はいり他
  • 概要:DISH//のボーカルと黒猫チェルシーのボーカルを出しておきながら劇中で二人を差し置いて松岡茉優が歌い出す。

評価:6/10
オススメ:とりあえずみんな観よう

言っても、私個人としてはあんまり合わなかったといいますか、微妙な評価に落ち着きました。
でも、この映画を観たあとは誰かに言わないといけない、そんな気がしてきました。

とにかくすごいのが松岡茉優が完全にかわいいオーラ封印して痛々しい女性を演じきってるところ。
それだけでも充分に観る価値がある。

いつも通りネタバレ注意

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あまりにも痛々しすぎる主人公

主人公のヨシカ(松岡茉優)はアンモナイト等絶滅した動物大好きなOL。
周りの友達という友達がいないのか、同僚のくるみ(石橋杏奈)と少し交流がある以外は基本プライベートは家に引きこもる毎日。
その割にはそこら辺の街の人達と色々話してるぞ?という疑問点がありつつも物語が進行。

冒頭のバーガーショップでの会話から色々と痛々しい雰囲気MAXで始まる。
冒頭のシーンからもわかる通り彼女はイチ(北村匠海)のことを中学時代から10年想い続けてる。既にヤバさがヤバい(日本語不自由)。

序盤はくるみに誘われた合コンで同じ会社の二(渡辺大知)と出会い、そして向こうから告白される。
人生初の告られに興奮しまくるも、一方で好きなのはイチ。
という事で好き好きとぶっちゃけ第三者から観ても気持ち悪い二には冷たい。

本人にはそんな対応をしているが、二に心かき乱されまくりのヨシカはストーブが布団に引火するボヤ騒ぎを起こす。
そしてそのことをきっかけに決心したのが「今のイチと会って前のめりに死んでいこう」。

こう文章で書くと普通の映画っぽいいんだが、実際は劇中のほとんどを占める家での独り言や街の人達との会話の内容がとにかく酷い。
そして典型的な引きこもりのオタクみたいなの松岡茉優がやってることのインパクト。
劇中何回松岡茉優にファ◯クって言わせてるんだ…それだけで観る価値が既にあるかもしれない。新しいご褒美ムービーかな。

強烈なブーメラン

前のめりに死ぬって割には、海外にいて連絡がつかない同級生を騙って同窓会を画策。徹頭徹尾やること汚いですねヨシカさん。
そして運命の同窓会。イチが自分と同じく東京にいることがわかるととても強引に東京でイチと合うように東京での集まりを作る。
なおヨシカが騙っていた同級生はスペイン風邪で欠席という事にしておいた。色々と酷すぎる。

そして東京でイチと出会うんですが、そこからのシーンはなかなか頭を離れないインパクトです。
イチも実は絶滅動物大好きで話が盛り上がる。
「あの頃君と友達になりたかった」と言うイチを観て遂にヨシカ報われた!と私もちょっと立ち直りそうな時に

「名前なんだっけ?」

ぐはっ(管理人死亡

ヨシカは完全にイチのこと見てるようで見てなかったのがはっきりとするわけで。

あーマジか。
「きみの膵臓をたべたい」で好青年を演じていた北村匠海に言われるとか。
余計傷口えぐられた気分。

で地味にその後のヨシカの「私を名前で呼んで」という悲痛な叫びを上げる(地味にここミュージカル仕立でしたね)ところがあまりにも痛すぎる。
なぜなら当のヨシカが周りの人間を変なあだ名を付けて本当の名前を全然覚えてないんだから。
それがそのまま社会から見たヨシカの扱いと同じなってるというカウンターパンチがががが。

さらに物語は痛烈に

なぜかここで終わらなくて、ショックから立ち直れないヨシカは産休をでっち上げ会社を休もうとします。
ヨシカどこまで痛いんだよ、観てるこっちの精神力0だよ!
これ以降はなんか…語るのもしんどいです。

一つ確かなのは終盤は本気で痛々しいだけなのです。
ここ個人的マイナスポイントでもあるんだけど。
この観てられない度は「私の優しくない先輩」を思い出すレベル。
まぁあっちは人生のワースト映画で3本の指に入るんだけど。

でも二は化けの皮が剥がされたヨシカの事を見てくれてる。
見てくれるどころか二がキモいやつだったのが突然聖人に観えるぐらい終盤の展開狂ってる。
それからオカリナって勝手に名付けてた隣人がまんま本名だった時どこかほっとしてしまうところもあって。
そうやってフォローがあったところで結局SAN値はマイナスなんですけどね。死。

恋愛コメディと銘打ってるのに、笑えない(節々の小ネタはもちろん面白いけどそういう意味ではない)しまともな恋愛でもない。
2017年末になんというモンスター映画が出てきてしまったんだ。

そしてこの衝撃を伝える相手が私にいないのが最大のダメージだったのではないのだろうか。
このまま心の傷にするのもアレなんで、ここに書き記す。

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